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はじめに
Web開発の現場でよく聞く「React.js」と「Next.js」。どちらもフロントエンド開発に欠かせない技術ですが、その違いを正しく理解していますか？
本記事では、React.jsとNext.jsの基本的な特徴から、具体的なコードの違い、ユースケースまで徹底解説します。React.jsを使った経験がある方でも、新たな発見があるように、できるだけ詳しく説明していきます。
React.jsとは？
React.js（以下、React）は、Facebook（現Meta）が開発したJavaScriptのライブラリです。主にUI構築のために使用され、コンポーネントベースのアーキテクチャを採用しています。
Reactの主な特徴
- コンポーネントベース：再利用可能なUIコンポーネントを作成できる。
- 仮想DOM：パフォーマンス向上のため、DOMの変更を最適化する。
- 状態管理：useStateやuseReducerなどのフックを使用して状態管理が可能。
- エコシステムが豊富：Redux, Recoil, Zustandなどの状態管理ライブラリや、React Routerなどのナビゲーションライブラリがある。
- **CSR（クライアントサイドレンダリング）**が基本。
Reactはその柔軟性から、多くのフロントエンド開発で採用されています。ただし、React単体ではルーティングやSSR（サーバーサイドレンダリング）の機能がなく、必要に応じて追加する必要があります。
Next.jsとは？
Next.jsは、Vercelが開発したReactベースのフレームワークです。Reactの機能を拡張し、SSRやSSGなどのレンダリングオプションを提供します。
Next.jsの主な特徴
- **SSR（サーバーサイドレンダリング）**が可能。
- **SSG（静的サイト生成）**もサポート。
- API Routesでサーバーサイドの処理が簡単に実装可能。
- 自動的なコード分割により、パフォーマンス向上。
- ルーティングがデフォルトで組み込まれている（
pages/ディレクトリ）。 - SEOに強い（SSRやSSGによる検索エンジン最適化）。
Next.jsを使うことで、React単体では実現が難しい高速なWebアプリケーションを簡単に構築できます。
React.jsとNext.jsの違い
1. レンダリング方式の違い
| React.js | Next.js | |
|---|---|---|
| CSR（クライアントサイドレンダリング） | ◎ | ◎ |
| SSR（サーバーサイドレンダリング） | ✖ | ◎ |
| SSG（静的サイト生成） | ✖ | ◎ |
| ISR（増分的静的再生成） | ✖ | ◎ |
React.jsはCSRを基本とし、SSRやSSGを行うためには追加の設定が必要ですが、Next.jsではデフォルトで対応しています。
2. ルーティングの違い
React.jsでは、ルーティングを実装するためにreact-router-domを使用します。
// Reactでのルーティング（react-router-dom使用）
import { BrowserRouter as Router, Route, Routes } from "react-router-dom";
import Home from "./Home";
import About from "./About";
function App() {
return (
<Router>
<Routes>
<Route path="/" element={<Home />} />
<Route path="/about" element={<About />} />
</Routes>
</Router>
);
}
export default App;Next.jsでは、ファイルベースのルーティングを採用しています。
// pages/index.js
export default function Home() {
return <h1>Home Page</h1>;
}
// pages/about.js
export default function About() {
return <h1>About Page</h1>;
}Next.jsではpages/ディレクトリにファイルを配置するだけでルートが自動生成されるため、設定が不要です。
3. SEOの違い
SEO対策として、Next.jsはReact.jsよりも優れています。
React.jsはCSRが基本のため、検索エンジンがページのコンテンツを適切に読み取れないことがあります。対策として、react-helmetを使用してメタ情報を設定できます。
import { Helmet } from "react-helmet";
function Home() {
return (
<>
<Helmet>
<title>Home Page</title>
<meta name="description" content="This is the home page." />
</Helmet>
<h1>Home Page</h1>
</>
);
}一方、Next.jsではSSRやSSGを利用できるため、検索エンジンが適切にページをインデックスできます。また、next/headを使ってメタ情報を設定できます。
import Head from "next/head";
export default function Home() {
return (
<>
<Head>
<title>Home Page</title>
<meta name="description" content="This is the home page." />
</Head>
<h1>Home Page</h1>
</>
);
}React.jsとNext.jsどちらを選ぶべきか？
| React.js | Next.js | |
| 小規模なプロジェクト | ◎ | ○ |
| 大規模なプロジェクト | △ | ◎ |
| SEOが必要なサイト | △ | ◎ |
| SPA（シングルページアプリケーション） | ◎ | ○ |
React.jsが適しているケース
- シンプルなSPA（シングルページアプリケーション）を開発する場合。
- SSRやSSGが不要で、すべてCSRで完結できる場合。
Next.jsが適しているケース
- SEOを重視するサイト（ブログ、ECサイトなど）。
- SSRやSSGを活用したい場合。
- APIを活用するWebアプリを作成する場合。
まとめ
React.jsは柔軟でカスタマイズ性が高いですが、ルーティングやSSRの設定が必要です。Next.jsはReact.jsの機能を拡張し、SSRやSSGを簡単に実装できるため、SEOに強いWebサイト開発に向いています。
どちらを選ぶかは、プロジェクトの要件次第ですが、基本的にSEOやSSRが必要ならNext.js、CSRだけで済むならReact.jsを選ぶのが良いでしょう。
ぜひ、この記事を参考に最適な選択をしてください！
